人材の育成と活用
基本的な考え方
「一の人たれ」 ―― つばきグループでは、目標とする分野でトップを目指し、①変革意欲を持ってチャレンジを続ける人材、②常に高いスキルとその向上を求め続ける人材、③自己責任の下に行動できる人材 を求めています。
職種を問わず、様々な育成機会を提供することにより、若手・グローバル人材の育成強化、女性の活躍推進、技能の向上などを図っています。
研修・教育体系の充実
当社グループの成長の原動力は、1917年の創業以来、モノづくり企業として磨き続けてきた技術力と熟練技能です。次世代への技術伝承・強化をねらいに、1998年4月に若手技術者向けの「つばきテクノスクール」を開校。その後、技能系、営業系とカリキュラムの充実を図ってきました。2017年度にはそのカリキュラムを整理し、技術者向けの「テクノスクール」、技能者向けの「技能スクール」、事務・営業職向けの「ビジネススクール」に分割し、それぞれの内容充実を図っています。また、新たな技術領域もカリキュラムに取り組み、IoT/AI人材の育成も行っています。
これら機能別研修と、職種横断の階層別研修を組み合わせることにより、従業員の意識向上と技術・技能レベルの向上という好循環を生み出しています。
コロナ禍においても持続的な教育機会を確保するため、各スクールにおいてオンラインによる研修方法も積極的に取り入れ、ほぼ計画通りの研修を実施しました。
* 新型コロナウイルス感染予防のため、2021年度の技術フォーラム、技能オリンピックは中止となりました。
人材育成教育体系(椿本チエイン)
ねらい:社会の環境変化を先取りする能力と柔軟に対応する能力を有し、自己成長を通じて広く社会に貢献できる人材を計画的・組織的に育成する。
階層別研修 | 新入社員研修、新入社員フォローアップ研修、入社1年後研修 |
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主事研修、係長研修、管理職研修、経営幹部職研修 | |
論理的思考力向上研修、リーダーシップ開発研修、技能職研修(初級・中級) | |
機能別研修 | 技術系(テクノスクール) 初級・中級技術コース(機械工学、加工技術、電気・制御)、 初級・中級製造コース、製図教室 |
営業系:セールススキル(中級・上級)、営業現場の基礎技能研修 | |
語学研修 | 英語スキル:ライティング(初級・上級)、プレゼンテーション、ミーティング |
若手社員向けグローバル海外研修 | |
ライフプラン研修 | 中堅社員研修、壮年者向キャリア研修、定年前ライフプラン研修 |
その他 | 通信教育、事業部内教育、外部派遣研修 |
①若手技術者の育成
「つばきテクノスクール」は、基礎技術や加工技術等の「初級技術コース」、材料工学や制御・情報工学等も含めた「中級技術コース」など、当社オリジナルのカリキュラムによる実践的な研修です。中級コースでは職場の課題の中からテーマを設定して解決策を実行するなど、知識・スキルの向上に加え、問題解決能力向上にもつなげています。また、新たな技術領域もカリキュラムに取り込み、IoT/AI人材の育成も行っています。
これら研修とは別に、各部門の最新技術を発表する「技術フォーラム」を通じて、部門を超えたアイデアの共有、交流・協創の場を広げています。
また、若手・中堅エンジニアの成長機会として、先端技術、技術経営を学んだり、社外のエンジニアと交流できる外部セミナーへ派遣しています。昨年度は、6件のセミナー・学会に40名が参加しました。


②モノづくり技能の向上
当社グループでは、①「技能士」養成、②基礎技術・技能の実技指導により当社固有の技能・技術の伝承を図る「加工道場」、③技能者の最上位資格「マイスター」、技能指導職「トレーナー」設置による後継者育成 他により、モノづくり技能の継承と強化を図っています。
これら技能の相互研鑽、発表の場となるのが、2012年にスタートした「つばき技能オリンピック」です。当社グループの優れた技能者が一堂に会し、全事業に共通する「普通旋盤」「溶接」「計測」「手書き製図」など8種目でその技を競い (技能検定1~2級レベル)、成績優秀者には金・銀・銅メダルが授与されます。2016年からは海外グループ会社からの参加もあり、技能の向上に加えて、事業部門、国内外を問わない技術交流により、組織の活性化にも寄与しています。
つばき技能オリンピック



グローバル人材の育成
当社グループの海外売上高比率は、2021年度には59.0%に伸長し、海外従業員比率も 51.5%となっています。
このような状況下、グローバル人材の育成・強化は当社グループの重要課題のひとつです。2010年度より、語学と国際的ビジネスマナーの習得および異文化への理解を促進する目的で、海外子会社に若手従業員を研修生として1年間派遣する「海外トレーニー制度」を導入しています。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、派遣を控えた年もありましたが、これまでに合計112名の若手従業員を派遣しています。その他、異文化コミュニケーション研修や新入社員全員を対象とした1カ月間の海外語学留学など、グローバル人材の育成・強化に注力しています。
海外トレーニー(椿本チエイン単体)
年度 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
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派遣数 | 14名 | 9名 | 13名 | 0名 | 4名 |



トピックス オンラインで「新人グローバル研修」を実施
2020 年度新卒入社の40 名を対象に「新人グローバル研修」をオンラインで2グループに分けて実施しました。本研修は4日間のプログラムで、①外国人との会話の抵抗感をなくす、②積極的にコミュニケーションする姿勢を身につける、③語学学習のモチベーションを上げることをねらいとしています。海外経験豊富な外部講師の指導のもと、外国人留学生を交えたグループワークを通じて実践的なコミュニケーション力を養い、当社海外トレーニーとの座談会では質疑応答を交えながら海外勤務への理解を深めました。
受講者からは「完璧な英語ではないBroken Englishでも意思疎通できると実感した」「自信を持って発言する姿勢が大事だと思った」など、気づきの多い研修となりました。語学習得をはじめとする自己研鑽を促進し、自らのグローバルな活躍を思い描くきっかけとなるプログラムを今後も継続していきます。