人権尊重とダイバーシティの推進

基本的な考え方

つばきグループでは、「人材」を最大の経営基盤と捉え、多様な人材が「イキイキと働ける環境」の整備を進めるとともに、今後の事業成長を支える人材の育成に取り組んでいます。
また、「人権の尊重」が企業にとって重要な社会的責任であるとの認識のもと、「国際人権章典」、国際労働機関(ILO)「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言」、国連グローバル・コンパクト(UNGC)10原則、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」をもとに制定したつばきグループ「人権基本方針」を国内外のグループ会社に周知徹底し、グループ全体で人権尊重に努めています。

国連グローバル・コンパクトへの賛同

つばきグループは、国際連合が提唱する「国連グローバル・コンパクト(以下、UNGC)」の「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野10原則を支持・賛同表明しています。UNGCは、各企業・団体が国連と連携し、責任あるリーダーシップを発揮することにより、社会のよき一員として行動し、持続可能な社会の成長を実現するための自発的な取り組みです。UNGCへの賛同を機に、その実現に向けた活動をさらに強化し、持続可能な社会の実現につなげてまいります。

国連グローバル・コンパクトへの賛同について

グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン

人権の尊重

当社グループでは、事業に関わるすべての人が、人種、民族、国籍、社会的身分、出身、性別、障がいの有無、健康状態、思想・信条、性的指向および職種や雇用形態等の違いによる差別、個人の尊厳を傷つけるハラスメントを受けることがないよう、従業員の倫理意識の向上に取り組んでいます。
毎年2月を「企業倫理強化月間」と定め、国内、海外グループ会社で各国の法律、ルールの遵守を徹底するための活動を行っています。
2020年に「人権基本方針」を制定し、「人権の尊重」が企業にとって重要な社会的責任であるとの認識のもと、つばきグループ全体で人権尊重の取り組みを推進し、その責任を果たしています。2021年度は海外関係会社に対して人権デューデリジェンスの予備調査を実施し、各社に大きな人権上の懸念点が無いことを確認するとともに、取り組み状況のヒアリングを行いました。
また、倫理ヘルプラインの設置、なんでも相談担当の配置により、法令・コンプライアンスに関するリスク事項だけでなく、日常の相談事項にも対応して働きやすい環境づくりを進めています。

人権基本方針

ダイバーシティの推進

ダイバーシティの推進

当社グループは、従来の仕事重視の役割主義・成果主義をベースに、「多様性」をキーワードにした人事制度改革を推進しています。また、椿本チエインでは、「多様性」を持つ従業員が個々の能力を最大限発揮できるよう、2018年度より「働き方改革」を推進。効率的な働き方、柔軟な働き方を実現するための諸施策を展開しています。国籍や性別、年齢に関係なく、様々な人が公平に評価され、安心してイキイキと働ける職場環境の整備に取り組んでいきます。

その一貫として、本社・支社から各工場へとテレワーク勤務を拡大。フリーアドレスの導入やミーティングスペースをカジュアルな雰囲気に、リフレッシュコーナーをグランピング仕様に改修するなど、コミュニケーションと業務効率を両立するオフィスレイアウトへの見直しを継続して実施しています。
また、労使委員会では、長時間労働削減、有給休暇促進に向けた取り組みを協働して行なっています。

  • 地域別従業員構成 (2022年3月末)

    地域別従業員構成
  • 有給休暇取得率 (椿本チエイン単体)

    有給休暇取得率(椿本チエイン単体)

①女性の活躍

椿本チエインでは、世間に先駆けて男女同一賃金を導入し、妊娠・出産といった女性ならではのライフイベントにおいても、安心して働き続けられる人事制度を整備してきました。女性の活躍推進については、2020年度に当社単体の女性従業員比率10%(2022年4月1日現在8.9%)を目標に掲げ、各高校・大学からの積極的な応募を働きかけるとともに、説明会では女性従業員が仕事紹介を実施することにより、労働環境の理解促進に努めています。また、優秀な従業員には性別を問わず積極的に昇格の機会を与え、女性従業員の役職登用を進めています。
また、働き方改革の推進や育児休職を取得しやすい環境の整備により、2019年度には男性の育児休職取得者数が大きく増加。それ以降も同水準の取得者数を維持しています。直近2年間の産休・育休後の復職率は100%と、出産後も女性が働きやすい環境整備を進めています。

  • 役付従業員女性比率と女性幹部職人数
    (国内)

    役付従業員女性比率と女性幹部職数
  • 育児休職取得者数 (椿本チエイン単体)

    2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
    女性 6名 7名 1名 5名 1名
    男性 1名 - 5名 4名 5名

②障がい者雇用の促進

当社グループでは、障がいのある方々が個々の能力や適性を生かした業務に従事できるように職場環境を整備し、製造現場、管理事務、健康管理など、幅広い分野での雇用拡大に努めています。2020年度には特例子会社を設置してさらなる雇用促進を図り、椿本チエインの法定雇用率確保を達成しました。

特例子会社(株式会社ツバキサポートセンター)のご紹介

ツバキサポートセンターは椿本チエインの福利厚生、業務受託を主な目的として設立された子会社です。2020年度には椿本チエインの特例子会社に認定され、障がい者の方による事業サービスを開始しました。働きやすい環境と個人の能力や適性に応じて活躍できる仕事を提供し、社員一人一人が力を発揮できる支援体制を整備しています。(指導員8名、障がい者職業生活相談員6名が在籍)
現在の業務内容は、印刷・スキャニング、清掃などです。清掃業務では、アビリンピック地区大会への出場を目指し、外部講師を招いてスキル向上に励んでいます。今後はさらにサービス領域の拡大にチャレンジし、積極的な障がい者の雇用を通じ社会的責任を果たしていきます。

※アビリンピック:障がいのある方々が日頃培った技能を競う大会のこと

  • 障がい者雇用率

    障がい者雇用率

③シニアの活躍

椿本チエインでは、2020年4月1日に現行の60歳定年を65歳に延長する「65歳定年制」を導入しました。戦後間もない1946年に60歳定年制を導入以来、1991年に65歳を上限とする再雇用制度、2003年に一般職の希望者全員が65歳まで働ける制度を導入するなど、世間に先駆けシニア層の活躍を進めてきました。また、2016年には70歳を上限として雇用機会の拡大を図り、多くのシニア層が能力を発揮できる環境を整備してきました。
今回の定年延長は、少子高齢化による生産年齢人口の減少の中、単なる労働力不足対応ではなく、多様な人材が活躍できる、働きがいのある環境づくりの一環として制度導入するものであり、雇用条件の改善、60歳以前の福利厚生の継続適用も併せて行いました。シニア層が長年培った知識、スキル、ノウハウや豊かな経験を生かして活躍する「中核人材」としての意識を高め、より一層イキイキと働ける環境を整備することで、従業員全体の連帯感を強め、当社の総合力発揮につなげていくことをねらいとしています。
「65歳定年制」導入と合わせ、処遇も改善し、制度導入後の継続雇用率は90%前後の高水準を維持しています。
また、50歳の節目に実施するキャリア研修の充実も図りました。65歳までの就業意欲の維持、継続学習する姿勢を促す内容へと改訂し、意識転換の支援も行っています。

トピックス 「つばき産休・育休ハンドブック」を発行

つばき産休・育休ハンドブック

人事部では産前産後休暇・育児休職制度を正しく知り、広く活用いただくために「産休・育休ハンドブック」を発行しました。ハンドブックでは、制度内容や申請方法、産休・育休に関するQ&Aや職場復帰までのスケジュールなどを紹介しています。当社では過去3年間で9名の男性従業員が1カ月以上の育児休職を取得しており、3月には女性従業員からの要望により職場説明会を実施。育児休職取得者からの経験談も含めて制度を紹介しました。
様々な人が育児休職を取得することで、仕事の進め方や働き方の見直しが進み、職場内で互いをサポートする関係構築も期待できます。多様な人材が活躍できるイキイキとした職場を目指します。

持続可能な社会の実現に向けて

つばきグループは、「動かす」分野において社会の期待を超える価値を提供し、
社会から必要とされ続ける企業となることを目指します