気候変動への対応
基本的な考え方
つばきグループは、「モノづくりを通して環境価値と経済価値を創出し“持続可能な社会の発展”に貢献する」を環境理念に掲げ、様々な課題に取り組んでいます。
中でも「気候変動への対応」は、喫緊の社会課題であると同時に、当社グループの中長期経営計画における最重要課題と位置付け、国際合意であるパリ協定が掲げる長期目標「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」の実現に向け、グループ一丸となって活動しています。
2023年には、企業の温室効果ガス排出量削減目標がパリ協定に整合することを検証するSBT認定を取得。2050年度までのカーボンニュートラル実現に向け、中長期の目標を設定して計画的にCO2削減活動を進めています。
CO2排出量削減活動
当社グループでは、気候変動が進む中、CO2など温室効果ガスの削減に取り組んでいます。
当社グループのモノづくりで使用されるエネルギーの多くは、生産プロセスに集中しています。そこで当社グループでは、省エネ型生産設備の積極導入によりエネルギー効率の向上を図ると共に、主要工場の断熱塗装、コンプレッサーの稼働条件の見直しとエアー漏れ対策、さらに、工場の新設・改築時の太陽光発電装置の積極導入による再生可能エネルギーの利用拡大、LED照明の採用など、様々なCO2削減対策を実施しています。
これらの活動を強化するため、2023年度にはICP(インターナル・カーボンプライシング)を導入。今後も徹底した省エネ活動と再生可能エネルギーの活用により、グループ目標の達成に向け活動を推進していきます。
CO2排出量削減目標
指標 | 範囲 | 中期目標(2025年度) | 長期目標(2030年度)※ | 2050年度目標 |
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Scope1+2 排出量削減率 |
国内 | 30% (2013年度比) |
42% (2021年度比) |
カーボンニュートラル |
海外 | 20%以上 (2018年度比) |
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Scope3 排出量削減率 |
グローバル | - | Category 1,11で25% (2021年度比) |
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再生可能エネルギー 使用率 |
国内 | 使用電力の30%以上 | 次期中期経営計画 策定時に設定 |
使用電力の100% |
※2023年のSBT認定取得に伴い、長期目標を改定しました
2023年度の実績
国内のScope1+2排出量削減率目標および再生可能エネルギー使用率については、すでに中期目標を達成し、グローバル共通目標である長期目標(2030年度までに2021年度比で42%削減)に向けて活動を進めています。
その結果、2023年度の排出実績は、長期目標に対して19.4%の削減となりました。
2025年度までの中期目標については、国内は2013年度比30%削減に対して37.6%削減、海外では2018年度比20%削減に対して16.0%削減となりました。
前年度比では、国内では、非化石証書付きカーボンフリー電力の購入や各種省エネ活動に注力しましたが、生産が3.1%増加したこともあり、CO2排出量は3.5%の増加となりました。海外においては、生産は増加したものの、欧州やモビリティ事業傘下の事業所を中心に太陽光パネルの設置などカーボンフリー電力の導入を進めた結果、CO2排出量は3.2%の削減となりました。
今後は長期ビジョン実現に向けたグローバルでの生産計画を考慮しつつ、目標達成に向けて活動を加速してまいります。
※2023年のSBT認定取得にあたり、過去のCO2排出量の見直しを実施しました。
CO2排出量推移 Scope1 (燃料の使用量等、自社で直接排出したCO2量)
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事業所別CO2 排出量(国内)
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地域別CO2 排出量(グローバル)
CO2排出量推移 Scope2 (電気の使用等、自社で間接的に排出したCO2量)
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事業所別CO2 排出量(国内)
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地域所別CO2 排出量(グローバル)
CO2排出量推移 Scope1+2
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事業所別CO2 排出量(国内)
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地域所別CO2 排出量(グローバル)
CO2排出量 Scope3(サプライチェーンで排出したCO2量)
カテゴリー別構成比(グローバル)
※国内の電力使用によるCO2排出係数は、環境省公表の『電気事業者別排出係数』の「代替値」
具体的な取り組み
再生可能エネルギーの積極導入
当社グループでは、工場棟の新築・改築の際には、積極的に太陽光パネルを導入しています。
”環境推進モデル工場”と位置づけている埼玉工場では、太陽光パネルの導入や非化石証書付きカーボンフリー電力の購入により、再生可能エネルギー使用率が約40%となっています。
また、省エネ生産方式への転換や、設備投資によるエネルギーの効率化を積極的に推進し、その施策をグループに水平展開し、グループ全体での使用電力の削減に取り組んでいます。
埼玉工場 使用電力構成推移
熱処理工程における「エネルギーJIT活動の推進」
埼玉工場では、熱処理工程での省エネを徹底するため、「エネルギーJIT活動」を推進しています。JITとは、Just In Timeの略で、徹底的にムダをなくして「必要なものを」「必要なときに」「必要な数だけ」生産・供給する仕組みのことです。
この仕組みを省エネ活動に取り込み、例えば、- 複数台設備の寄せ止めによる不要時間におけるヒーター停止
- 熱処理炉の立ち上げ、立下げのタイミングの見直しによるエネルギーのムダ排除
- 休日におけるムダなエネルギーの排除(熱処理設備は24時間稼働)
- 付帯設備の稼働タイミング見直し(ムダ時間の停止、制御)
エアコンプレッサへのパルスブローの設置
工場内では、様々な目的でエアコンプレッサが稼働しており、テンショナー工場を例にとると、使用する電力量の約50%を占めています。
テンショナ加工ラインでは、加工・洗浄工程後に油やコンタミ等をエアーブローで除去していますが、そのエアーブローをパルスブローに変更。これにより、約2分の1のエアー量で同じ機能を得ることができ、省エネにつなげています。
これを随時水平展開することにより、工場での電力使用量削減を図っています。
海外グループ会社での取り組み例
TSUBAKI KABELSHLEPP GmbH(ドイツ)
TSUBAKI KABELSHLEPP GmbHでは環境長期目標の達成に向け、積極的にCO2削減活動を実施しています。
例えば、- 資源効率の最適化(コンプレッサー、射出成型からの排熱回収の実施)
- 再生可能エネルギーへの転換の実施
(2022年1月から100%再生可能エネルギーに置換) - 照明のLED化(生産エリア全体完了)
- 高効率設備への置換(高効率射出成型機への計画的な設備更新)