ダイバーシティの推進
つばきグループは、従来の仕事重視の役割主義・成果主義をベースにした人事制度に加え、「多様性の拡大」をキーワードに、65歳への定年延長や特例子会社の設立などの制度改革を進めてきました。新たに導入した制度・仕組みについては、運用しながら随時改善を行い、実効性を高めています。
また、椿本チエインでは2018年度より「働き方改革」を推進。効率的な働き方、柔軟な働き方を実現するため、フレックス勤務、裁量労働、在宅勤務などの諸施策を導入するとともに、労使委員会にて、長時間労働削減、有給休暇促進に協働で取り組んでいます。さらに、活気ある職場風土を目指し、肩書での呼びかけや記載をなくし、工場以外の拠点ではオフィスカジュアルを推奨する「つばきSTYLE」の取り組みを進めています。
今後も国籍や性別、年齢に関係なく、様々な人が公平に評価され、安心してイキイキと働ける職場環境の整備に取り組んでいきます。
-
地域別従業員構成 (2024年3月末)
-
有給休暇取得率 (椿本チエイン単体)
取組内容
①女性の活躍
椿本チエインでは、他社に先駆けて男女同一賃金を導入し、女性従業員が出産後も安心して働き続けられる人事制度を整備してきました。女性従業員比率(2025年4月1日現在10.0%)をさらに高めるため、各高校・大学からの積極的な応募を働きかけるとともに、説明会では女性従業員が仕事紹介を実施することにより、労働環境の理解促進に努めています。社内では外部の女性活躍セミナーへの従業員派遣を進め、優秀な従業員には性別を問わず積極的に昇格の機会を与え、女性従業員の役職登用を進めています。
役付従業員女性比率と女性幹部職人数 (国内)

②仕事と育児の両立支援
仕事と育児の両立支援にも積極的に取り組んでいます。育児休職制度の社内周知や管理職教育により、男女ともに育児休職を取得しやすい環境整備を進めています。また、3歳未満の子供を育児中の従業員や要介護者を抱える従業員も柔軟な働き方ができるように在宅勤務制度を再整備しました。
その結果、2024年度の産休・育休後の復職率は92.5%、男性の育児休職取得者数は36名となり、男性の育休取得率は45.9%(昨年比4.3ポイント上昇)と増加しました。
また、産休・育休ハンドブックの改訂、介護両立支援ハンドブックの発行等、従業員へ制度をわかりやすく周知する取り組みにも注力しています。
育児休職取得者数 (椿本チエイン単体)
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
---|---|---|---|---|---|
女性 | 5名 | 1名 | 3名 | 8名 | 6名 |
男性 | 4名 | 5名 | 29名 | 37名 | 34名 |
③障がい者雇用の促進
当社グループでは、障害のある方々がともに働ける環境づくりや職務の拡大に取り組んでいます。
2020年には特例子会社を設置し、積極的な雇用拡大とサポート体制の充実を進めました。個々の特性を生かして、製造現場、管理事務のほか施設の維持管理、健康管理など幅広い業務に従事できるよう努めています。また、就業支援策の1つとして、障がい者専用ヤードの設置(埼玉工場)、特例子会社事務所の拡大・整備(京田辺工場)など、働きやすい職場環境づくりも進めています。
これらの結果、2020年度以降、法定雇用率を上回る雇用を達成しています。この水準をゴールとするのではなく、ユニバーサルデザインの観点から誰もが働きやすい環境づくりを推進。障がい者雇用をダイバーシティの核と位置づけ、組織の活性化、イノベーション創出につなげています。
これらの取り組みが評価され、当社は、2024年度「京都府障害者雇用優良事業所等知事表彰」を受賞をしました。
-
障がい者雇用率
特例子会社(株式会社ツバキサポートセンター)のご紹介
ツバキサポートセンターは椿本チエインの福利厚生、業務受託を主な目的として設立された子会社です。2020年度には椿本チエインの特例子会社に認定され、障がい者の方による事業サービスを開始しました。働きやすい環境と個人の能力や適性に応じて活躍できる仕事を提供し、社員一人一人が力を発揮できる支援体制を整備しています。(指導員8名、障がい者職業生活相談員8名が在籍)
現在の業務内容は、製造、印刷・データ入力・スキャニング、清掃などです。また、雇用拡大施策として、支援学校等からの業務実習や作業見学を積極的に受け入れています。2024年度は、京田辺・埼玉両工場で合計31名の実習、90名を超える工場見学者を受け入れました。今後はさらにサービス領域の拡大にチャレンジし、積極的な障がい者の雇用を通じ社会的責任を果たしていきます。
これらの活動が評価され、2022年には「京都府障害者雇用優良事業所等知事表彰」を受賞をしたほか、「京都府障害者雇用推進企業(愛称:京都はあとふる企業)」に認定されました。
-
京都府知事表彰 -
はあとふる企業に認定
このほか、障害者雇用推進をねらいに京都企業が集まり運営している勉強・交流会「ニューロダイバシティー京都地域連携プロジェクト(ND Kyoto)」にも参画しています。
④シニアの活躍
当社では、2020年4月に、60歳定年を65歳に延長する「65歳定年制」を導入しました。「65歳定年制」導入と合わせ処遇も改善し、継続雇用率は90%以上の高水準を維持しています。また、50歳の節目に実施するキャリア研修の充実も図りました。65歳までの就業意欲の維持、継続学習する姿勢を促す研修内容へと改訂し、意識転換の支援も行っています。
⑤外国人雇用の拡大
多様な考え方をイノベーション創出、事業成長につなげるため、外国人雇用の拡大に取り組んでおり、2030年度には85名を目標にしています(2025年3月末現在33名、執行役員1名)。2024年度はキャリア採用で3名が入社しました。勤続年数10年を超える従業員は14名おり、本社部門、技術、調達、CS推進部署など幅広い分野で活躍しています。
企業インターンシップ説明会では学生に当社のグローバル展開を紹介し、外国籍のインターンも多数受け入れているほか、海外の大学からのインターン受け入れも積極的に行っています。
外国人従業員数

トピックス
「障害平等研修(Disability Equality Training:DET)」を開催

椿本チエインでは、NPO法人「障害平等研修フォーラム」より講師をお招きし、「障害平等研修(Disability Equality Training:DET)」を開催しました。この研修は、障害者自身がファシリテーター(進行役)となって、障害者を排除しないインクルーシブな組織づくりを参加者と一緒に考えていく研修です。
研修では、社会の多数派と少数派の生活視点が入れ替わる事例動画を通じて、少数派の方々が社会でどのように見られ、どのような困難を経験しているかを学習。「障がい」とは障がい者自身ではなく、取り巻く環境や社会が「障がい」作り出している側面に気づくと同時に、「障害平等」に向けて具体的な行動目標を持つことができました。
当社は、障がいの有無に関わらず、全ての従業員が最大限の能力を発揮できる職場づくりを推進し、誰もが働きやすい企業を目指しています。ダイバーシティと向き合い、具体的な行動を考える有意義な研修となりました。
タイの子会社にてインターンシップを受け入れ

自動車部品を製造するタイの子会社では、2024年9月、同志社大学大学院・理工学研究科の学生1名のインターンシップを受け入れました。
同大学が企画する企業提携型「安全安心高度技術者養成プログラム」の1つで、製造業の設計・開発、生産・設備導入等安全に関連した課題に取り組み、技術者としてのスキルアップがねらいです。5日間の期間中、安全衛生活動や安全管理などの座学、学生の要望に応えて装置リスクアセスメントや現場実習と、幅広い内容を体験いただきました。
最終日の報告会では、生産工程の安全に関わる改善提案を発表するなど、現地スタッフにとっても貴重な異文化交流の機会となりました。
持続可能な社会の実現に向けて
つばきグループは、「動かす」分野において社会の期待を超える価値を提供し、
社会から必要とされ続ける企業となることを目指します