つばき合金鋼タイヤチェーン ユーザー訪問 Vol. 2
「除雪のプロ」高村伸二さんに突撃インタビュー
タイヤチェーンの重要性とプロの技とは?
「除雪のプロ」で有名な高村伸二さん。「ニイガタ除雪の達人選手権」個人の部(2020年度開催)でも見事優勝されました。高村さんは、つばき合金鋼タイヤチェーンのユーザーで、除雪車オペレータ歴23年の大ベテランです。
刻々と変化する雪質や道路状況の中、24時間体制で冬季の道路を守る除雪作業。自然相手の仕事の安全を支えているのがタイヤチェーンです。今回、高村さんに、除雪のプロの技をはじめ、タイヤチェーンの選定方法やメンテナンスについてもお伺いしてきました。
「ニイガタ 除雪の達人選手権」とは?
- 主催
- ニイガタ除雪の達人選手権実行委員会
(新潟県、国土交通省北陸地方整備局、南魚沼市、湯沢町、東日本高速道路、
新潟県建設業協会)
- 競技内容
- 5チーム15人の熟練オペレータが除雪ドーザに乗って
4つのチェックポイント(風船割り、スラローム、ギリギリ砂ケーキ落とし、
車庫入れ)で除雪機械の操作技術を競う。
除雪の達人のスゴ技(動画)はこちらから https://www.youtube.com/watch?v=rhAEv5Y2814
「除雪のプロ」高村さんに聞く!
① 「ニイガタ 除雪の達人選手権」優勝、おめでとうございます。その時のご心境は?
ありがとうございます。大会当日は少し緊張しましたが、除雪が好きな気持ちは誰にも負けない自信がありました。競技前半は減点なしでポイントをクリア。後半は前半の余裕もあり、慌てず競技を進めることができました。すべてが試走よりうまくいって、やりきった感があります。
家族や友人に見てもらえたこと、地元の南魚沼市や五十沢地区の皆さんにも喜んでいただけてよかったです。
そして何よりもうれしかったのは、帰宅すると息子が『お父さん、すごいね』と喜んでくれたことですね。
お世話になっている方から
優勝記念に贈られた
オリジナルのチャンピオンリング
- 高村伸二さん
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除雪オペレータ歴23年のベテラン。
新潟生まれの新潟育ち。趣味はバイク、ダム・鉄塔巡り等
※2021年12月放送 NHKBSプレミアム「ニッポン知らなかった選手権実況中!/第8回除雪車チャンピオンシップ」解説者として出演
② 除雪車とタイヤチェーンへの「こだわり」について教えてください。
■ 除雪の道路状況に応じてタイヤチェーンを選定
国道と違い、狭い生活道路の除雪では、前進後進を細かく繰り返し、雪を抱えて雪を押し込みます。除雪車の繊細な操作技術が必要。雪を押し込んだ時にフロントタイヤが雪に埋まってしまうこともありますが、亀甲型タイヤチェーンを装着しているので容易に脱出できます。私の場合、フロントは亀甲型、リアはリング付ラダー型を選定。これが、長年いろいろ試した結果、ベストな組み合わせです。
道路両側に民家が立ち並ぶ場面では、マルチプラウで大量の重い湿った雪を抱えて進まなくてはなりません。リング付ラダー型タイヤチェーンの装着により、リアタイヤが横滑ることなく作業ができるので安心です。
また、出動時にスタック車両があれば救出。一般車両の「安全な通行を最優先する」ための重要な業務の1つです。
■ マルチプラウは均一に摩耗させる
雪に埋もれた障害物やマンホール。除雪作業は「(この土地に)慣れた人じゃないと難しい」とよく言われますが、これらをうまく避けて傷つけません。私は、マンホールの位置を覚えて、そこを通過するときはマルチプラウの摩耗を防ぐため、少し浮かせて走行しています。
マルチプラウの摩耗状態を見れば、オペレータの「うまい」「下手」の技能がわかる。私もプロとして、偏摩耗させず、均一に摩耗させています。
③ タイヤチェーンの寿命を延ばす秘訣は?
「タイヤチェーンは消耗品」と思われがちですが、私の場合、現在使用中のタイヤチェーンは、10年前に購入したもの。
長持ちさせるポイントは、「低速走行」と「こまめなチェック」の2つです。
■ 低速走行の徹底
クロスチェーンはもちろん、サイドチェーンの伸びにも影響する走行速度。通常、金属製タイヤチェーンの取扱説明書には時速30km以下での走行と書かれていますが、私は、それよりさらに低速走行。これを守るのと守らないのでは摩耗の進行が格段に違います。
■ こまめなチェック(クロスのラグ材や小リングを確認)
走行前後に、こまめにタイヤチェーンを確認。チェックポイントは、①装着にズレはないか、②余分なたるみはないか、③偏摩耗していないか、の3つ。そろそろ交換時期のラグ材や小リングが見つかれば、天気のよい日にクロスチェーンを交換しています。脱着を面倒がらず、きめ細かくメンテすること。これが10年以上使い続けられる秘訣です。
④ 最後に、一言…
除雪の達人選手権開催の目的は、オペレータの除雪技術やモチベーション向上に加え、若い世代に除雪に興味を持ってもらうねらいがあります。私が懸念しているのは「後継者問題」。夜半の作業が多く、天候次第で待機だけで1日が終わることもあります。なかなかその苦労が理解されずモチベーションが下がるなど決して楽な仕事ではありません。除雪オペレータは高齢化しており、後継者がいない問題は深刻です。
「やらされてやる10年と、上手になりたいと意識してやる3年」では明らかに結果が違います。この仕事を始めたころは、とにかく熟練オペレータの隣に乗って操作を見て、たくさん質問して、除雪作業のノウハウを吸収しました。私たちの経験、技術を引き継いでいきたい。いや、引き継がなければいけないと思っています。
取材を終えて…
最新モデルの除雪車も使いこなす高村さん。除雪車ではタイヤチェーンを装着した際の振動軽減が課題となっていました。つばきのタイヤチェーンは低振動・低騒音であることも特長の1つ。「作業時の快適性能が向上している」と高く評価いただいています。高村さんに続く「除雪のプロ」が現れてくれるとよいですね。
さて、次回は、高村さんの除雪車に、「つばき合金鋼タイヤチェーン リング付ラダー形(Z仕様)」を装着いただき、実際に作業したときの感想をご紹介します。
お楽しみに!
持続可能な社会の実現に向けて
つばきグループは、「動かす」分野において社会の期待を超える価値を提供し、
社会から必要とされ続ける企業となることを目指します